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仏教質問箱布教誌『宝塔』に連載中の「仏教質問箱」より

阿弥陀(あみだ)さまについて教えてください。

 サンスクリット語でアミターバ(無量光)またはアミターユス(無量寿)という言葉の音から「阿弥陀仏」と訳される仏さまです。

 浄土三部経の内の『無量寿経』には、世自在王仏のもとで法蔵菩薩として長いあいだ修行して、浄土への往生の方法を発見し、衆生救済のための四十八願を立てて改めて修行して成仏した報身仏(ほうしんぶつ)である、と説かれています。また、同じく浄土三部経のうちの『阿弥陀経』には、阿弥陀仏の国である西方(さいほう)の極楽浄土のありさまと、ガンジス河の砂の数に値(あたい)するほどのたくさんの仏から賞賛される阿弥陀仏の徳について、そして極楽に生まれるための方法について説かれています。

 日本には七世紀から八世紀の飛鳥・奈良時代に浄土思想が伝わり、阿弥陀仏の造像が盛んになりました。はじめ貴族のものであった浄土教は、平安時代には空也・源信などの布教によって次第に庶民の間に広まり、鎌倉時代には法然・親鷺によって現在につながる浄土宗・浄土真宗などの宗派が生まれました。

 浄土教の隆盛によって日本語にも阿弥陀仏に関連した言葉が生まれました。「あみだくじ」(昔は線を中心から放射線状に引いていた)や「あみだ被(かぶ)り」(帽子を後頭部にひっかけて浅く被る)という言葉は、阿弥陀仏の光背(こうはい)の形からきたものです。また「十八番」という言葉には、法蔵菩薩の四十八願のうちの第十八願(阿弥陀仏を信じ念仏する者を必ず成仏させる)を本願として重要視することから、最も得意なことを指ずようになったという説があります。

 日蓮大聖人の『守護国家論』に「爾前(にぜん)の浄土は久遠実成(くおんじつじょう)の釈迦如来の所現の浄土にして、実にはみな穢土(えど)なり。法華経はまた方便・寿量の二品(にほん)なり。寿量品に至りて実の浄土を定むる時、この土(ど)はすなわち浄土なりと定めおわんぬ」とあります。法華経以前のお経に説かれた浄土は、お釈迦さまが方便で説かれたもので、まことの浄土ではない。法華経寿量品に至ってお釈迦さまが本仏(ほんぶつ)たる本当の姿を明かされたことで、この娑婆世界こそが本当の浄土であると定まったのだ、と浄土教を批判されています。つまり阿弥陀仏の西方極楽浄土も、薬師如来の東方浄瑠璃(じょうるり)世界も本当はなく、私達の生きているこの娑婆(しゃば)世界だけが永遠の仏さまの国であるということです。私たちは日蓮大聖人のこのお言葉を心にとめて、感謝の気持ちを持って日々を過ごしていくべきではないでしょうか。

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