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仏教質問箱布教誌『宝塔』に連載中の「仏教質問箱」より

彼岸会について教えて下さい。

布教研究所所員・豊橋本門寺住職 都築英信


 年二回、春分の日と秋分の日を中日として、その前後三日すなわち七日間を春・秋の彼岸の節とする。

  暦に彼岸と記してある日が彼岸の入りで、春は三月十八日ごろ、秋は九月二十日ごろに当たる。七日目の彼岸の終わりを果岸(はてがん)・彼岸払い・送り彼岸という地方もある。団子を作って仏さまにお供えしたりする。

  中日を昔は、春・秋季皇霊祭としていたが、今は春・秋分の日と称して国民の祝日としている。

  彼岸とは梵語の波羅密多(パーラミター)を訳して「到彼岸」として、悟りの世界への境を彼岸とし、煩悩の此岸を離れて悟りの世界(彼岸)に到達する意。

  昼夜等分の日であることが、仏教で尊ぶ中道ということに合致するので、この日に法要を営むとよいといわれる。

  彼岸の法要を彼岸会というが、この風習は日本で始まった風習で、インド・中国にはなかったようである。ただし中国清朝の王侯貴族は、春分秋分の時期に祖廟の祭祀を行う風習があったから、これが漢民族一般ではなかったとしても、日本のみの風習とはいえないようである。

  日本で彼岸会法要を行った初めは、延暦二十五年(平安時代・西暦八〇六年)という説がある。

  「暑さ寒さも彼岸まで」というように、気候が好適であることから各寺院では彼岸会を修し、読経法話があり、善男善女の参詣が多い。

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