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仏教質問箱布教誌『宝塔』に連載中の「仏教質問箱」より

なぜ、日蓮大聖人のご命日法要をお会式というのですか?

府中市 立正院住職・法華宗学林講師 村上東俊



 本来「会式」とは、「法会の儀式」を意味するもので、他の宗派でも用いられた言葉でした。現在「お会式」といえば、日蓮大聖人のご命日とお逮夜(前日の夜)を中心に全国各地の寺院でとり行われる報恩会を意味し、この「日蓮大聖人御報恩会式」が略されてお会式と呼ばれるようになったと考えられています。

 お会式は古くは「御影講(みえいこう)」「御命講(おみょうこう)」「御影供(みえいぐ)」などと称され、それが次第に万灯行列などを催す盛大な行事になって行きました。

 とくに江戸時代に入ると、江戸の街が急速に発展し、宗祖ご入滅の地、池上が江戸近郊に位置していたことも、お会式が盛んになった要因の一つと考えられます。

 「御影講や油のような酒五升 芭蕉」や「精進の多き大工や御命講 許六」の俳句からも知られるように、元禄時代にはすでに江戸の民衆にお会式が浸透していうかがたことが窺えます。

 「一貫三百どうでもいい、テンテンテレツク、テンツクツ」という当時の掛声からも、職人が一日の手間賃(一貫三百)をふいにしてでもお寺にお詣りしたいという心情が伝わってきます。

 このようにお会式は一般の民衆が参加する江戸の一大行事となり、それに伴って、「お会式」という言葉が定着していったように思われます。

 お会式には万灯が出て、纏を振り、鉦や太鼓、笛の音が奏でられるなかをお題目を唱えながら練り歩く、その情景はさながらお祭りといった雰囲気です。これは宗祖のご入滅を悲しむというよりは、宗祖のみ教えのお陰で今日の自分があるんだという歓喜の姿であるといえます。そして一年に一度我々が日蓮大聖人に敬慕の念をもあって「お会い」する日なのです。

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