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仏教質問箱布教誌『宝塔』に連載中の「仏教質問箱」より

なぜお寺の名前に「山」がついているのですが。

布教研究所所員・見附市 如實院住職 田中隆寬


 私たちの総本山は、本成寺です。この他に長久山ともお呼びします。総本山という言い方もそうですが、なぜお寺にはそれぞれ名前があるのに、山の名前でも呼ばれることがあるのでしょうか。

 遠い昔のインド。お釈迦さまは菩提樹の下で悟りを開かれました。

 やがて、お釈迦さまの周りに人が集まって教団ができ、出家修行者は雨期(五月~八月)の問は僧院に住みました。この建物を「精舎」といいます。

 竹林精舎や祇園精舎が有名ですが、竹林精舎は仏教最初の僧院といわれています。迦蘭陀長者が竹林を寄進し、そこに建てられました。『平家物語』にも出てくる祇園精舎は、須達長者がお釈迦さまと弟子のために建てた僧院で、お釈迦さまの説法の多くがここでなされました。二大精舎の他にもいろいろありましたが、その後、インドではレンガ造りの壮大な僧院が建造されるようになりました。

 インドからシルクロード・中国を通って仏教が伝わった日本でも、伝来当初は平地に寺を建てていました。しかし、時代の変化とともに、平地よりも空気がよく、深く瞑想できる山の上の方が修行ができると考えられるようになりました。聖徳太子の仏教思想をとり入れた政策、奈良時代の国家護持のための仏教は、寺院の繁栄をもたらす一方で、政治と宗教のバランスを崩し、僧侶が権力を求める腐敗を生んでしまいました。出家者は、その修行の場を世俗的な都市から離れた所に定めようとしたのです。

 こうした動きに、仏教が伝わる以前から日本にあった山岳信仰が影響したと思われます。山岳信仰は、山に超自然的な威力を認めて、山そのものを霊的な存在とみなす信仰です。日本には古来から山に対する敬いが、民間信仰として生きていました。修行者にとって、山は悟りを開く場所にふさわしかったのです。やがて、お寺は山の上に建てられるようになりました。その名も寺名や山の名前と両方で呼ばれることが広まっていきました。

 現在では、その建立場所が山地でなくてもお寺には○○山という呼び名があります。これを「山号」といいます。寺名は「寺号」といいます。法華宗では、お題目を唱える場所こそ本当の道場と説きます。菩提寺さまやご縁のあるお寺の山号、寺号のありがたい意味を大切にして、心をこめてお題目を唱えましょう。

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