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仏教質問箱布教誌『宝塔』に連載中の「仏教質問箱」より

日蓮さまの呼び方がいくつかあるようですが、おしえて下さい。

田辺金吾

  法華宗は日蓮大聖人のご自身の生涯と信仰体験から開かれた宗派です。宗祖は、仏教の開祖釈尊が説かれた多くの経典の中から、とくに『法華経』を根本聖典とされ、法華経の教主釈尊を本師と仰ぎ、自らは本師釈尊から法華経の弘通を委嘱された仏使であるとの自覚に立って、法華経の教えを実践されました。

 一宗一派の開宗者の尊称として、日蓮さまのことを、『大聖人』『宗祖』『高祖』などの呼び方があり、江戸時代の民衆は『お祖師さま』と親しみ尊んで仰ぎ慕ってきました。お経本の勧請文、回向文などにおいては、『宗祖日蓮大聖人』『宗祖南無日蓮大聖人』『高祖南無日蓮大聖人』などとお呼びいたします。

 一宗一派を開かれたという尊称で、開祖、元祖などの呼び方もあるようですが、この地球上に存在する宗教で分派のない宗教はないといわれる程です。仏教においてもお釈迦さまがお亡くなりになられた後、厳格な出家主義で一般大衆から浮き上がった人々とお釈迦さまのみ教えを全ての人に、という2つのグループが出てきました。前者を上座部、後者を大衆部といい分派の始まりといえます。後年それぞれを小乗、大乗というようになりました。日本においても、欽明天皇の頃(552年)に仏教が伝来して今日までいくつかの宗派が誕生しました。奈良時代には南都六宗といわれる法相宗・律宗・華厳宗などが誕生し、平安時代には天台宗・真言宗が成立しています。さらに鎌倉時代になり、浄土教にかかわるものとしての浄土宗・浄土真宗・時宗、禅にかかわるものとしての臨済宗・曹洞宗、そして日蓮大聖人が法華経を拠り所とされた法華宗があります。さらには近年の新興宗教もあります。とくに戦後宗教法人法による届け出制になってからは無数の宗派が誕生しました。新興宗教も各々悟りの世界に至る道を説いていることから、宗派とみることができますが、宗祖などといわず創始者などと呼んでいます。

 

 なお、日蓮大聖人につづいて、尊び仰ぐ方として「三師様」があります。総本山本成寺初祖の日朗師、本山ご開山の日印師、宗門中興の祖日陣師の3人を三師様と申し上げ『尊聖人』の称号をつけてお呼びいたします。

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