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仏教質問箱布教誌『宝塔』に連載中の「仏教質問箱」より

お盆に迎え火を焚いて自宅にご先祖さまをお迎えします。
お墓から自宅に戻って来られると思うのですが、それではどうしてお盆にお墓を清めたり、お供えをするのですか。

布教研究所所員・高岡 本陽寺住職 山本充彦

 昨年の暮れ、NHKの紅白歌合戦で、歌手秋川雅史氏によって歌われ大変流行しました「千の風になって」という歌がありました。原詩が作者不詳の詩だそうです。その詩を日本では作家・新井満氏が日本語の訳詞と曲をつけて発表したのがこの歌だそうです。

  歌の内容は「私のお墓の前で泣かないでください そこに私はいません眠ってなんかいません千の風になってあの大きな空を吹きわたっています」という、本来は外国の歌ですが、仏教の考えに非常に近い詩になっています。

  それでは、お墓の中にいない精霊(ご先祖さま)は、どこにおられるのでしょう。

  答えは簡単です。仏さまの元におられるのです。葬儀の折、菩提寺の住職が導師となり、精霊に引導をわたします。その文々が仏さまの元に導く文なのです。日蓮大聖人は『波木井殿御書』の中で「日蓮より後にあの世に来る者は、丑寅(艮)の渡りどので待っているから、日蓮を訪ねてきなさい。仏さまの元に連れて行ってあげます」とおっしやっています。ですから、法華宗の引導を精霊が聴くと、日蓮大聖人の御手によって速やかに仏さまの元に行けるわけです。仏さまの元にいて、仏国土から残してきた我々家族を見守っているわけですから、お墓の中にご先祖さまはいないわけです。お墓の中にあるのはご先祖さまのお骨であり、魂は仏さまの元におられるわけです。その方がお盆になりますと、ご自宅のお仏壇か、お骨の収まっているお墓に戻ってこられるわけです。ですから、お墓やご自宅のお仏壇をきれいにしてお盆にご先祖さまをお迎えするわけです。

  よく葬儀の弔辞の中で、「安らかにお眠りください」という決まり文句のようなものがありますが、安らかに眠っていては、仏さまの元にいけません。「仏さまの元で残された家族をお守りください」の方が、正しい言い方ではないでしょうか。

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