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仏教質問箱布教誌『宝塔』に連載中の「仏教質問箱」より

写経ってなに?

藤本典行

  写経について法華経で説かれている文章は次のようです。法師功徳品第十九に「五種法師」という言葉がでてきます。このお経はお釈迦さまが涅槃なされてから後の時代(経典では滅後)に、以上の五種類の行いをした者の功徳の甚大さをのべているものであります。この五種法師とは、1受持(法華経を持つ) 2読(法華経を読む) 3誦(法華経を暗唱する) 4解説(法華経を他人に解説する) 5書写(後世の人のために法華経を写す)という行為をいいます。このように我々末法の時代には以上の五種法師の行いが大切なことなのです。この中に5書写とあります。

 お釈迦さまは何よりも、ご自身が涅槃なされた後の時代のことを心配しておられました。その中で一番大切なことは、法華経を伝えていくことであります。その意味では、書写ということは大切なことであります。お釈迦さまの時代はお経という書かれた物はありませんでした。つまり口伝えがきまりであり、何かに写すということは、不尊なことだったのです。ところが、お釈迦さまがお亡くなりになって、困ったことになったわけです。こうしてお経になるまでには五~七百年かかっているのです。今我々が持っているお経は、インドから中国に伝わり漢訳されて日本に伝わっているわけてあります。日本での写経の歴史は、天武天皇元年(六七二年)「書生を聚へて、始めて一切経を川原寺に写したまふ」と『日本書紀』にみる記事が最も古く、その後、多くの公家衆が写経なされましたが、その対象となったのは、法華経が圧倒的に多いのであります。

 つぎに写経の心構えについてお話します。涅槃経に『一々文々是真仏』という文句があります。この文句の示すように、写経は習字と異なり、字の上手下手ではなく、一字一句に己の精神を集中し、ていねいに写していくことが大切です。その行為には、具体的に一時、俗世間からはなれ、静かな心(禅定)を得ることと、お経に親しんでいくことの二つの意義があります。また、写経は自分の功徳を積むということから、他者の追善供養のために行うという目的理由も成立します。また、写経で大切なことは、写してできあがった書を、必ず納めるということでしょう。ご本山、あるいは、菩提寺の納経堂に必ずきちんと納めするという行為をおこなって写経は終了します。このことをまもって、また無理をせずに、ゆったりとした心で行うことが大切です。  

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