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仏教質問箱布教誌『宝塔』に連載中の「仏教質問箱」より

唱題の時、どうして団扇太鼓を叩くのですか。

布教研究所所員・酒田妙法寺裡 飯田泰英

  以前「スクール・ウオーズ」というテレビドラマで、高校ラグビー全国大会決勝戦を前に、監督が選手たちをお寺に連れて行き、真っ暗な本堂で団扇太鼓を叩かせて、最初は音色がバラバラだったのが次第にまとまり、チームの結束力強化に繋(つな)げたという場面がありました。

 また、題目講(だいもくこう)によって鳴らされる、揃(そろ)った唱題の太鼓はすばらしいものです。唱題の声と団扇太鼓の音とが一体となって、心が高揚し、身体が和(やわ)らぎ、「南無妙法蓮華経」と唱えた信行者は唱題の世界に溶け込んでいきます。

 法華宗(ほっけしゅう)では、唱題を正行(しょうぎょう)、読誦(どくじゅ)などを助行(じょきょう)と位置づけています。したがって、もっとも中心の行(ぎょう)をする時には、とくに調子を整え、精神を集中して仏祖三宝(ぶっそさんぽう)(仏(ぶつ)・法(ほう)・僧(そう))に信心を捧げるように団扇太鼓を一心に叩きます。

 太鼓そのものは、仏を讃(たた)えるもので、法要の折(お)りに用いる仏具として各宗派に共通していますが、団扇太鼓は法華宗や日蓮宗独特のものです。法華経の信仰が盛んになると、日蓮大聖人ゆかりの霊跡寺院への参拝や大聖人のご命日であるお会式行事への参詣などが、人々の間に浸透するようになり、江戸時代頃に、携帯して街頭でも使用できるように考案されたものと思われます。さらに講中が盛んになると、信行者の必需品となり、江戸中期頃にはかなり普及したものと考えられます。団扇太鼓は、当時の世相を描(えが)いた絵画などにも登場しています。

 法華経(ほけきょう)の方便品(ほうべんぼん)第二に「若(も)しくは人(ひと)に音楽(おんがく)を奏(かな)でさせ、太鼓(たいこ)をうち…このような人(ひとびと)々の奏(かな)でる妙(たえ)なる音(おと)を尽(つ)く持ちよって供養(くよう)し、または歓喜(かんぎ)の心(こころ)を持(も)って歌唱(かしょう)して仏(ほとけ)の徳(とく)を讃(たた)えるならば、例(たと)え一つの楽器(がっき)によるものであっても、皆(みな)すでに仏道(ぶつどう)を成就(じょうじゅ)している」とあるように、唱題修行に太鼓を打つことは、単に拍子をとるだけではないことがわかります。

 団扇太鼓の叩き方には、地域や信行(しんぎょう)の内容によって異なりがあります。長題目(ながだいもく)、花題目(はなだいもく)、波題目(なみだいもく)といわれる、唱題に独特の節(ふし)をつけながら叩く地域もあります。また、団扇太鼓は唱題の時に叩くことが多いのですが、場合によっては読誦行(どくじゅぎょう)の時にも叩くことがあります。

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