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日蓮大聖人のおことば 布教誌『宝塔』に連載中の「日蓮大聖人聖訓カレンダー解説」より解説者の役職・所属寺院名などは掲載当時のもの

法華経を持つ者は必ず成仏し候

出展:種種御振舞御書(昭定九八五頁)
解説:学林教授・中原本門寺住職 光林孝玄

法華経を持つ者は必ず成仏し候

 成仏(じょうぶつ)の決定(けっじょう)。
 たゆまぬ仏道の研鑽(けんさん)、身命を賭(と)した伝道の中で確信された大聖人の力強きみ声は、私たちの盲目を破り末法(まつぽう)の時代を大安心境(だいあんじんきょう)へと教導する至言の金言であります。
 およそ、私たちの生命は、例えば生物学的な側面のみに目が注がれたならば、あまりにも淋しく、停(はかな)い、空虚(くうきょ)な存在としてしか認識されないのかも知れません。未来への希望を失い、現前の放逸(ほういつ)に暮れる日常は、人から気概、思いやりをも奪い、「善と悪」「正と邪」の規矩準縄(きくじゅんじょう)を喪失(そうしつ)させ、結果、地獄(じこく)の苦しみ「生き地獄」に陥ることさえ危(あやば)ぶまれます。
 人の心の奥底に、確かな潤(うるお)いを真に与える力が、法華経の教えに他なりません。
 確固たる信心の決定によって、世俗的な道徳倫理も、より力を発揮し、脈動する素晴らしい人生が必ずやもたらされるのです。
 ありがたく法華経(ほけきょう)(南無妙法蓮華経)をお唱えする「唱題成仏(しょうだいじょうぶつ)」は、一部の恵まれた才知を有(も)つ者にのみ開かれた狭き門ではありません。賢愚・智鈍・貴賎・老幼・男女などの差を問わず、万民をして「安心立命(あんじんりゅうみょう)」の境地に入らしめる尊き普遍の救いであります。
 本仏釈尊(ほんぶっしゃくそん)の功徳(くどく)の結晶体である「お題目」への信心決定は、人々に懺悔(さんけ)・感謝・精進(しょうじん)の心を目覚めさせ、今生(こんじょう)には人格の陶治(とうや)・仏国土(ぶっこくど)の建設(社会的使命)を実現せしめ、来世には仏果(ぶっか)を約束し、霊山浄土(りょうぜんじょうど)への往詣(おうけい)を確約する、二つとない心の止依処(しえしょ)であります。

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