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日蓮大聖人のおことば 布教誌『宝塔』に連載中の「日蓮大聖人聖訓カレンダー解説」より

春のはじめ御喜び花のごとくひらけ 月のごとくみたせ給う

出展:上野尼御前事(昭定一八五七頁)
解説:学林助教授・岡崎 長福寺住職 牧野真海

春のはじめ御喜び花のごとくひらけ 月のごとくみたせ給う

 弘安四年正月十三日、上野尼御前から正月祝いとして贈られた供養の品々(清酒・蒸し餅・干柿など)への返礼のお手紙です。
 大聖人おん齢六十歳。永年に亘る法華経色読修行と、身延山の厳しい冬の寒さに肉体をつらぬかれ、健康というには程遠い情況でした。
 にもかかわらず新春を迎える喜びは、梢に咲匂う花々のごとく、澄みわたる空に輝く満月のように、大聖人のお身体にみち溢れていたのです。逆境であるがゆえに、細やかな日常の変化に、大きな感動を見出されていたのでしょう。
 特筆すべきは、このお手紙を授けられた上野尼御前という女性が、一年前に最愛の息子を十六歳の若さで亡くしているという点です。ともすれば日々を悲しみに暮れ、ふさぎこみがちになる尼御前を思い、大聖人は優しい言葉でいたわり、力強い文章をもって励まされました。そして新春の歌詞によせて、生きることのありがたさを説き、悲しみを受けとめ、乗りこえてこそ真の「御喜び」が存在することを伝えられたのです。
 現在日本人の平均寿命は、男性が七十八歳、女性が約八十五歳と、たいへん長命になっています。その一方で、若くして親よりも先にこの世を去る人もすくなくありません。
 大聖人は現在に生きる私たちに対しても、非業の別れを受容しなければならない因縁を諭し、慈愛にみちたまなざしをもって「今を生きる喜び」をお示し下さっているのです。

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