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日蓮大聖人のおことば 布教誌『宝塔』に連載中の「日蓮大聖人聖訓カレンダー解説」より

今年御つゝがなき事をこそ法華経に申し上げまいらせ候え

出展:兵衛志殿御返事(昭定一五二五頁)
解説:村上東俊 学林助教授・多摩 立正院住職

今年御つゝがなき事をこそ法華経に申し上げまいらせ候え

 この一節は大聖人の大檀越である池上氏の弟・兵衛志宗長に宛てた書簡です。兄宗仲と弟宗長は父康光が熱心な念仏信者であったにもかかわらず、大聖人に帰依して法華信者となっていました。父権が絶対的な力をもつこの時代に父の信仰と相反することは、親子の絶縁も覚悟しなければなりませんでした。実際、宗仲は父親から二度も勘当を言い渡されたのです。
 信仰は時として父母や親しい人に背いてしまうことがあります。大聖人は池上氏の父と子の関係、信仰に悩む兄弟に宛てて十七通にも達する手紙を送り、兄弟の信仰を常に励まして教導を続けられたのです。そして、ついには父康光も法華信者となり、父と子の対立は収束したのです。宗教は一つの側面として親子を対立させてしまうほどの力をもっています。事実、現代社会においては宗教によるさまざまな問題や軋轢が世界規模で生じています。しかしながら、大聖人は信仰を何よりも優先されるのは言うまでもありませんが、それによって家庭に不和が生じることを決して是とはされないのです。
 池上親子の長い信仰対立から家族に平和が訪れた時、大聖人は大変喜ばれ、また兄弟の法華信仰を称賛されました。この一節は池上家に平和が訪れた後に、法華経への感謝の気持ちを忘れないよう、信仰の不退転を促すとともに、大聖人の一家の法華信仰の永続を願うお姿が偲ばれます。そして大聖人の慈愛に満ちたお心を拝することのできるお言葉であると思われるのです。

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