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日蓮大聖人のおことば 布教誌『宝塔』に連載中の「日蓮大聖人聖訓カレンダー解説」より

後世は日蓮の御房にまかせまいらせ候

解説:学林教授・大久保  本修寺住職 田中 靖隆

後世は日蓮の御房にまかせまいらせ候

 後の世のことは日蓮御坊に任せておりますので恐れるところありません。

 今月のお言葉は、鎌倉の檀徒、四条金吾氏が、主君・江馬氏からの領地替えの命令に対しての返事を、大聖人に相談したことへのご返事からです。金吾氏は江馬氏との信仰の違いから一時期不興を買い、今回の領地替えも左遷でした。

 大聖人は金吾氏に、鎌倉を離れることを止め、その理由として次のように言うよう、とアドバイスしています。

 いざという時に主の為に命を張って働くには常にそばにいるべきで、「大事が起きた時」に越後では駆けつけることがかなわぬやもしれません。領地を召し上げられ、おとがめあろうとも、今は主のそばを離れたくありません。

 そして現世の命は主にささげ、後の世は大聖人に任せているので恐れるところはありません、と結んでいます。

 この言葉は今も昔も多くの人に安心と感激を与えると思います。

 すっぱりと後世のことをお任せでき、少しの不安もない心はがたいもので、悩み苦しみの中に日々を送っている私どもには大きな励ましと安心になります。

 たびたび『宝塔』に書いていますが、私はかんケア病棟に月に一度通うようになり、人は死の恐怖にどのように向き合えばよいのか? そのような時に他人が手伝えることがあるのか? というようなことを考えるようになりました。

 さまざまな本を読み、その中の一つに、死後の世界のことを自分なりに折り合いをつける、という考えがあることがわかりました。

 今月の大聖人の言葉は、金吾氏にとってのまさに、このことなのかと思います。手紙の中の「いざという時」というのは二回目のもうの襲来をさし、幕府がそれに向けて防壁を建設している時でした。また領地替えに従わないことも当時の階級社会の構造を考えると、これも命の危険を伴ったと考えます。もし自分の命がなくなっても、後の世のことは大聖人にお任せできると思えた金吾氏は心から安心できたのではないでしょうか。

 私たちが葬儀の時などに読む大聖人の御書に「りょうぜんへましましてうしとらわたりどの(あの世の入口)にて尋ねさせたまえ、必ず(大聖人が)待ち奉るべくそうろう」という文があります。あちらの世界に行った時、大聖人が先にった自分の家族と迎えに来てくれると思うと安心と勇気の気持ちが出てきます。そしてその日までを十分に生きる覚悟ができます。

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